Azure DevOps Server 2020 (オンプレミス) の環境を作成します。
ソースコード管理としては、個人的に TFS 2013 → Azure DevOps Server 2019 とアップデートして利用していますが、Azure DevOps Server 2020 にするにあたり、どのような構成になるか確かめるために、まず基本の配置でインストールした内容を記します。
TFS からの移行では無く、初めて Azure DevOps Server を導入する際の参考になるかと思います。
Azure DevOps Server のバージョンは 2020.01 です。インストール方法としては、Azure DevOps の 2019/2020 でも変わりなく、ほとんど同じです。
なお、サーバーは Windows Server 2019 でドメイン参加済みのサーバーです。インストールはドメイン管理者が行います。
以降、インストールに伴う画面キャプチャが多くなるので、先に基本の配置の構成をした結果と要点をまとめておきます。
エディション | Azure DevOps Server 2020 |
製品バージョン | 18.170.30910.2 (Azure DevOps Server 2020.0.1) |
インストールパス | C:\Program Files\Azure DevOps Server 2020\ |
アプリケーション層 URL | http:*:80 |
SQL Server バージョン | SQL Server 2019 Express 15.0.2000.5 |
SQL Server インスタンス | SqlExpress |
Azure DevOps データベースのバージョン | 18.170.30910.2 (Azure DevOps Server 2020.0.1) |
構成データベース | AzureDevOps_Configuration |
コレクションデータベース | AzureDevOps_DefaultCollection |
データベースの照合順序 | Japanese_CI_AS 構成データベース / コレクションデータベース共に |
データベースの互換性レベル | SQL Server 2016 (130) 構成データベース / コレクションデータベース共に |
SQL Server Management Studio (SSMS) |
インストールされない |
OS再起動の必要性 | Azure DevOps Server のインストール後に必要 SSMSをインストールする場合、場合によってはSSMSをインストール後に必要になる可能性がある |
SSMS は、Azure DevOps Server のインストールおよび構成を行ってもインストールされないので、DBの管理のために SSMS は別途インストールしておくほうが良いと思います。
ではインストールしていきます。ISOファイル(もしくはインストール媒体)をマウントすると、AzureDevOps2020.0.1.exe があるので、ダブルクリックして実行します。
インストール時のロゴ。
インストールの場所を確認し、そのままインストールします。
インストール中..
多少時間が掛かりますが(私の環境で、およそ12分掛かりました)、しばらくするとインストールが完了し、PCの再起動が促されます。
ここまでは、Azure DevOps Server の本体をインストールするだけで、次項の構成をしないと機能しません。単にインストールだけ先に完了させて、構成は他の人が担当するなどであれば、作業担当は分けられると思います。
PCの再起動後、自動的に Azure DevOps Server の構成ウイザードの画面が表示されます。
構成をせずに閉じてしまっても、メニューから Azure DevOps Server Administration を開くことで、構成ウイザードを進められます。
Azure DevOps Server のインストール後は、スタートメニューに Azure DevOps Server Administration のメニューが追加されています。
引き続き、構成ウイザードの最初の画面。
「Visual Studio エクスペリエンス向上プログラムに参加する」の選択肢があるので、任意ですが、インストール検証のため、一旦「参加しない」で進めます。
配置タイプを訊かれるので、新しい配置で進めます。
新しい配置 - 基本 で進めます。
言語の選択は日本語
SQL Server Express をインストールします。
構成時に SQL Server 2019 Express をダウンロードしてインストールするので、ネットワークへのアクセスが必要になりますが、事前に準備する必要はありません。
次に、アプリケーション層の指定。これはサイトのURLになります。
初期時はカスタムになっていますが、そのままで進めます。
検索の設定は、ミニマム構成にするために一旦オフにします。
構成の最終確認です。(画像を繋げて加工しています)
適合性チェック。
構成中。私の環境では、ここで 15分 くらい掛かりました。
構成完了。
最後にサマリーが表示されます。
これで、構成が完了です。
管理者でサーバーのURLにブラウザでアクセスすれば、Azure DevOps のサイトが表示できて、運用できる状態になっています。
どのように構成されたかを確認します。
まず、SQL Server ですが、インストールされたバージョンは 2019 Express でした。
SQL Server 2019 構成マネージャーを確認。インスタンス名は構成の確認時にも表示されましたが SQLEXPRESS です。
SQL Server エージェントは停止状態ですが、SQL Server Browser は実行中になっています。
TCP/IPは有効で、TCP 動的ポートは 0 で動的割り当てが有効な状態です。このため SQL Server Browser が必要になっていることが伺えます。
SQL Server のファイアーウォールは開いていませんので、DBに外部からアクセスできるようにする場合は、ファイアーウォールの調整を個別にする必要があります。また、ポートを固定にする場合は、SQL Server Browser を停止させることも出来ますね。
次にデーターベースを確認したいのですが、SQL Server Management Studio (SSMS) はインストールされないので、別途インストールします。
SQL Server Management Studio (SSMS) のダウンロード
SSMS のダウンロードリンクは、下側にも「日本語」のリンクがあるので、そちらからもダウンロードできます。
※インストール後、最新版にアップデートができる旨のメッセージが出るなど、ダウンロードしたものが最新版になっていないことがあります。Microsoftのサイトのリンク調整が出来ていない時があるので、そのような場合は、英語版をダウンロードして言語を日本語にするという方法で最新版を維持することが出来ます。
SSMS のインストールは、インストーラーを実行するだけですが、PCの再起動が必要になることがあります。
場合によっては、インストールできずに、インストール途中でロールバックされて、再起動をしてからインストールしてくださいと言われるときもあります。
少し時間が掛かりますが、通常は難なくインストールは完了します。
SSMS インストール後に、データベースを確認すると AzureDevOps_Configuration と AzureDevOps_DefaultCollection の2つのデータベースがあります。構成データベースとコレクションのデータベースですね。
AzureDevOps_Configuration、AzureDevOps_DefaultCollection のどちらとも、照合順序は Japanese_CI_AS、互換性レベルは SQL Server 2016 (130) になっています。
SQL Server にインストールされた機能も確認してみました。Microsoft SQL Server 2019 Express with Advanced Services のインストーラーをダウンロードし、機能の追加のウイザードの途中の画面で確認します。
インスタンスの選択には、Azure DevOps の構成で作成された SQLEXPRESS を選択。
機能の選択で、既にある機能が確認できる。
データベースの機能は、データベース(エンジン)とレプリケーションだけです。MLやフルテキスト検索は不要ということですね。
※後々の追加等で、MLのJavaは Open JDK の依存にもなるので、SQL Server と Azure DevOps が同じサーバーになるとすれば、Azure DevOps の検索機能を設定するときに、Open JDK を同じパスにすることができると思います。
共有機能は クライアント接続SDK だけでした。
SQL Server としては上記の通りになるので、基本の配置以外の環境を作る際にも、この状況になるように意識すると、TFSからのアップデートもスムーズに進められると思います。
次に構成後の管理コンソール上の各画面を以下に載せます。
初期の環境作成後のもので、運用時に変更できるところもあるので、各画面を載せるには冗長になりますが、初期値の備忘として参考になればと思います。
Azure DevOps Server、エディションと製品バージョンが確認できます。
アプリケーション層。サイトのバインドや状態を確認できます。グループメンバーシップなどの認証を編集もここから行えます。
チーム プロジェクト コレクション の全般タブ。
チーム プロジェクト コレクション の状態タブ。
チーム プロジェクト コレクション のチーム プロジェクトタブ。
レポートの状態。レポートは未構成です。SQL Server のレポーティングサーバーに依存します。
パイプラインのところは案内のリンクがあるだけです。
検索の状態。検索サービスは構成時に選択しなかったので未構成です。ここから設定することで検索サービスを構成できます。
プロキシー サーバー。エッジサーバーを使用して冗長化する際に構成できます。
スケジュールされたバックアップ。初期時は未設定です。共有サーバーにファイルとしてバックアップを取るための設定なので、早い段階で設定しておいたほうが良いでしょう。
ログ。サーバー操作のログなどが確認できます。
以上、Azure DevOps Server の基本の配置のインストールでした。
CI-CD のパイプラインのための設定などを、後々個別に発信したいと思います。
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